ある日、苦労して承認が通ったGoogleアドセンスの広告がすべて表示されなくなっていた。当ブログの実際の体験談と対応をご紹介します。
広告配信制限のあらまし
広告配信の制限は2020年07月15日に行われた。(正確には14日夜間から制限されていた模様)
- 7時ごろ・・・アドセンス広告が表示されていないことに気づく
- 13時ごろ・・・広告配信を制限した旨のメールが届く
- 20時ごろ・・・無効なトラフィックの調査開始(本業の業務終了後)
広告制限を知らせるメールとは
自分のWebサイトに何らかの不具合が起きていることも疑ったが、以下のような内容のメールが届き、Googleからの広告配信制限であることが確定した。
「お客様の AdSense アカウントで無効なトラフィックが検出されました。Google ではこの事態を受け、お客様のアカウントでの広告配信を制限いたしました。」
また、アドセンスアカウントのポリシーセンターに「表示できる広告の数が制限されています。詳しくは、ポリシー センターをご確認ください。」との注意メッセージも表示されていた。
無効なトラフィックとは
無効なトラフィックの定義
無効なトラフィックとは、広告主様の費用やサイト運営者様の収益を作為的に増やす可能性のあるクリックやインプレッションのことです。
無効なトラフィックの例
Googleの無効なトラフィックの定義を確認すると以下のような例が挙げられています。
- サイト運営者が、自分のWebサイトの広告をクリックしてクリック数やインプレッション数を増やすこと
- 1 人以上のユーザーが繰り返しクリックして、クリック数やインプレッション数を増やすこと
- サイト運営者が、自分のWebサイトの広告でのクリックを誘導すること(例: 広告をクリックするようユーザーを誘導するあらゆる言葉、大量の偶発的クリックを誘発する広告掲載など)
- 自動クリックツールやトラフィック ソース、ロボット、その他の不正な行為を行うソフトウェア
当サイトでの無効なトラフィックは?
上記の無効なトラフィックの例を確認していく。
①クリック数やインプレッション数を増やす
自分のWebサイトのアドセンス広告をクリックすることはポリシー違反であることは知っていたので、自己クリックは気を付けていた。アドセンスの広告を初めて貼り付けたときに、なぜか表示されないなぁと調べていた時に誤って一度だけクリックしてしまったが、おそらくそれが原因ではないだろう。
②1 人以上のユーザーが繰り返しクリックする
結論としてはおそらくこれがあてはまったと考えられる。
③サイト運営者が広告のクリックを誘導する
広告をクリックするようユーザーを誘導するようなことをしてはいけないということ。これもポリシー違反であることは知っていたので、広告の上には「スポンサーリンク」の記載は確実にしていたし、SNSなどでもクリック誘導のようなことはしていない。
④自動クリックツールやトラフィック ソース、ロボット、その他の不正な行為を行うソフトウェア
これは絶対に違うと言い切れる。なぜならこんなものは存在すら知らなかったから。
当サイトの無効なトラフィックの結論はアドセンス狩り?
「②1 人以上のユーザーが繰り返しクリックする」以外は該当しないため、消去法でこれと推測した。ただし、運営者自身ではないし、家族友人に頼んだということも絶対にない。
俗に「アドセンス狩り」と呼ばれ、「同一IPアドレスからクリックを何回も行い、さも運営者や知人などがクリックした」として、アカウント停止に追い込むという愉快犯がいるらしい。今回のものが「アドセンス狩り」か「本当に広告に興味があって何らかの操作ミスをしてしまった人」だったのかはわからないが、とにかく同一IPアドレスからのクリックがあったと推測して調査を進めた。
無効なトラフィックを調査する方法
調査方法
無効なトラフィックとのことなのでトラフィックを分類する方法を調べてみると以下のような手順が有効であることがわかった。
- AdSense アカウントで解析対象を特定する
- アナリティクスを使用してトラフィックに関するデータを表示する
- 収集したデータをチェックする
当サイトでの調査
「AdSense アカウントで解析対象を特定する」は本来はカスタムチャネルやURLチャネルを独自に作成しておいて、様々な角度から解析対象を特定するということのようです。そこからアナリティクスを確認し、データの「表示回数/クリック数/クリック率/訪問先ページ」に不審な点がないかを調査するとのことです。
今回は1日だけ明らかにクリック件数が多いがあったので、アナリティクスでその日のトラフィックを調査しました。
・「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」を表示
・エクスプローラ画面で日付を選択、「AdSense」を選択
「セカンダリディメンション」を「市区町村」などで表示
以上の操作で「AdSense の CTR」が明らかに異常値であるユーザは特定できた。また、以下の操作で「クライアント ID」などを特定した。
・「ユーザ」→「ユーザーエクスプローラ」を表示
・「デバイス カテゴリ」「参照元 / メディア」などが一致するユーザの「クライアント ID」などを特定
Googleへの報告
調査した結果はGoogleチームへ報告する必要があります。無効なクリックの連絡フォームを開き、フォームに必要事項を入力し送信する。
今回は、広告が制限された日(7/15)の22時ごろに報告を上げた。
報告後の状況
経過
広告配信の制限後からの状況はこのようになった。
2020年07月15日
・7時ごろ・・・アドセンス広告が表示されていないことに気づく
・13時ごろ・・・広告配信を制限した旨のメールが届く
・20時ごろ・・・無効なトラフィックの調査開始(本業の業務終了後)
・22時ごろ・・・Googleチームへ無効なクリックを報告
2020年07月31日
・広告配信が少しずつ再開。期待が高まる。
2020年08月05日
・広告配信がまた制限され始める。やさぐれる。
2020年08月14日
・配信制限から一ヶ月が経過。もう何も信じない。
2020年08月22日
・広告配信が少しずつ再開。騙されないぞ。
2020年08月24日
・ポリシーセンターから広告制限のメッセージが消える。完全解除٩(ˊᗜˋ*)و
結論
結果として41日間制限されていたことになる。何も対策をしていなかったのが悪いとは言えかなり心は折られた。
また、無効なクリックの連絡フォームへ行った報告は的外れだったのか、結果として意味を為さなかったのだろうと推測している。
無効なクリックの対策の準備
アドセンス狩りも含め、無効なクリックを対策する方法は以下のようなものがあります。Webサイトを運営している方はぜひ参考にしてみてください。
- 自分のサイトの運営者や関係者が広告をクリックしない。
知人にも不正なクリックがあるとこのような事態になることを伝えておくことをおすすめします。 - AdSense Invalid Click Protectorプラグインを導入する
まとめ
今回は、当サイトに実際におきたアドセンス広告配信が制限になった事例をもとに、報告方法や対策についてご紹介しました。同じ状況となった方の参考になれば幸いです。